トラファルガー・ローから学ぶ"目先より未来をみる志

「トラファルガー ロー」 "命がけで挑発する復讐のハート"

トラファルガー・ロー…
その異名は死の外科医

ワンピースの魅力の一つである"悪魔の実"の能力者で、ローが食したのはオペオペの実。

オペとはまさに手術を意味するオペ。

以下 解説:RYO NAKAYAMA

ローの戦い方は、"Room"という技でまず自分の能力のみ有効化される、いわば"無菌状態の手術室"のような空間をつくります。"Room"の圏内に入るものは、ローの"Mes"により身体も内臓もローの自由にバラバラに切り分けられてしまいます。

ただ面白いのは、"Mes"で切り分けられた時点では出血も痛みもない。切り分けた身体や臓器をローが直接攻撃して初めて本当のダメージを与えるのです。

トラファルガー・ローのサド的性質

実際、彼の攻撃は、外傷的なショックより精神的なショックでダメージを受ける者がほとんど...。

もしも自分の身体の一部が切り抜かれ、それを「ホレ。」と言わんばかりに見せつけられたら...痛みが無かっとしてもどんな気分か。まさに、"生きてる心地がしないでしょう。"

気を失ったほうが健全かもしれません。

※以下ネタバレも含む

パンクハザードでの戦いで、ローがスモーカー大佐の心臓を切り取った時も、殺したかった訳ではなく心臓を人質に抜き取ったようなもの。(一人から更に人質を作るという発想、まずに死の外科医ならではのアイアディア...。)弱みを握るという言葉の究極形ですね。

その時スモーカーが気絶したのはきっと、勝機を失うどころか心臓を握り潰されたら即死ぬ、というショックからきたものだと思っています。
結果的には、スモーカーも不本意ながらロー達海賊と協力して戦わねばならない状況になり、その交換条件としてローも心臓をちゃんと返します。
まるで先を見据えたローが作った、立派な取引みたいですね!

ローに学ぶ、遠回りする事も一つの道

目先よりも、その先を見る視点。

個人的な目線ですが、ローの行動には先を見据えているような、ひとつひとつの決断に先行投資のような思考を感します。

海賊王を狙う"最悪の世代"といわれる存在だったにも関わらず、政府に海賊の首百本を差し出し政府直下"王下七武海"に加わったり、敵である"麦わら海賊団"と同盟を組んだり、予測不能、政府側からも海賊側からも、スモーカー大佐の言う通り"何を企んでいるんだ?"と思わせるようなことをしてきました。

それでいて常に慎重。これもルフィには無い船長として大事な能力。

真逆のタイプ同士だからこそ海賊同盟はうまくいったのかもしれませんね。そこまで考えていたのか考えていたなかったのかわかりませんが、ルフィのある意味''サイコパス"なまでの決断力と行動力。

しかしロー自身も、何をしようが"軸"はブレていないのです。

目先の利益に焦って飛びつく前に、まず頭を使い先を見据える、そして素早く決断し行動に移す。
ローは海賊の中でも、"戦略家"の要素が強い気がします。
スモーカーの言う通り、何を企んでいるのか読めないが、着実に立場を確立しながら目的に向かう。
"全ては恩人の仇、ドフラミンゴに復讐する為..、。"

余談...

ちなみに、ローの胸に大きく刻まれている"ハート"のタトゥーも、その恩人と関連する大きな意味がこめらています。

タトゥーとは一生モノ。考え方は人それぞれですが
個人的には一生モノの意味がこもったタトゥーに感じるものがあります。

コラソンとローのイラストを添えて解説

ローの思い出…

"思い出に浸るのではなく、心に刻んで其の先へ。"
ローとコラソンを描いた理由。
正直言ってこのイラストはロー目線で描きました。
大前提ローがそう思っているかは別として、
「今あの人と会えるなら、何を話すだろう?」という感じで描かれたのがこの二人でした。
それは家族、友達、恋人など...、離別死別関係なく、もう会えない人に会いたいと思った時、それが叶ったとしても時間が
限られていたら...。
夢でもいいから会いたい。
そんなふと抱いてしまう思い、をローとコラソンに被せて描いてみました。

「オレを生かしてくれた!」ローの恩人"コラソン"とは?

コラソンは政府直下の海賊"ドフラミンゴ"の一味。戦力にしてNo.2でありドフラミンゴの実の弟でした。

子どもが嫌い。過去にショックな出来事があって言葉を一切しゃべれないが、無音人間になる"ナギナギの実"の能力者故のステルス的な戦法を使う強者。無音人間とは、能力者が触れたものや作った空間にいるものの影響で出る音は一切消される、というもの。

不思議な能力ですが、後にコラソンは其れの"究極"の使い方で魅せてくれるのです...。

コラソンの兄、ドフラミンゴは"破壊の申し子"

コラソンとドフラミンゴは、元は天竜人と呼ばれる"貴族"のような家系に産まれます。天竜人とは、いわば産まれながらに持った無条件の権力を持っており、中には其れを振りかざす者も多くありました。

不運にも、コラソンの一家は庶民からの逆恨みの的となり、針付にされ拷問を受けます。

それをきっかけに、兄ドフラミンゴは幼心ながらに負った傷と怒りが暴走し、その矛先は天竜人として産んだ父に向けられ、銃殺。

正直...自分が幼少期にそんな体験をしたら、どうするねか想像もつかない状況だと思います。

天竜人...血筋...其れを幼少期に体験...。

それ達がドフラミンゴをまさに"破壊の申し子"へと導き、自ら其れに"乗って"海賊の道を突き進ませたのでしょう。

コラソンの正体

コラソンはドフラミンゴの一味の中で言葉が一切しゃべれないという設定。兄であるドフラミンゴすら信じこんでいた事だが、まさかのこれはウソ。
どういう事かと言うと...

コラソンはドフラミンゴの暴走を止めるべく、潜入捜査を続けていた、実は"海兵"だったのです。
兄弟なのに、何の為に?

コラソンは、兄が考えている密かな計画に気付いていたのです...。

例の拷問を受けた幼少期にドフラミンゴが父を射殺後、コラソンは兄が目の前で起こした悲劇にほぼ精神が崩壊。とにかくひとり泣き叫びながら、彷徨い歩いていたところを海軍の幹部に拾われます。
その巡り合わせに、其の海兵も何かを感じたのでしょう。

きっとこれが運命の別れ道

それからコラソンは海兵との知られざる時間を経て、任務に全てを懸けて進み続けます。
"過去のショックな出来事"により喋れなくなったというウソの設定を纏い、鍛えた実力を元に兄ドフラミンゴの一味に加わるのでした。

コラソンとローの出会いと、兄ドフラミンゴとの結末

あくまで僕的にはですが、大前提コラソンは兄ドフラミンゴを恨んでいた訳ではないと思います。なぜならコラソンは兄ドフラミンゴの傷を身をもって共感しているからです。

しかし"破壊の申し子"から"海賊"になったドフラミンゴの暴走は止まりません。ドフラミンゴは弟コラソンへある任務を与えようとしていました。
それは、悪魔の実"オペオペの実"で不老不死を得ること。

どういう事かと言うと、オペオペの実は悪魔的な"オペ"の能力を身につけられます。その能力の一つとして、能力者自身の命と引き換えにひとりの人間に不老不死を与える事が出来ると言うもの。

ドフラミンゴは弟という"血"を乱用してコラソンに"オペオペの実"を食べさせ、兄として教育し、その計画を成し遂げようしている事にコラソンは感づいていんたんです。

そして…

そんな矢先に現れたのが、ローでした。

血縁を超えた血断

ざっくりですが、ローの生い立ち復讐すると...
トラファルガー・ローはフレバンスという裕福な街にうまれます。

医者の両親の元に妹と四人暮らし。

フレバンスは地層からでる"拍鉛"により街は雪国のように白く美しく、その景色と"拍鉛"で造る工芸品によって、"白い街"と呼ばれるようになり栄えた富裕層が多い街でした。

しかし資源であるその拍鉛は、後に人体へ悪影響を与える有害物質だったのです。

世間と政府、その間に感じる距離のようなものは、令和現代に通ずる気がします。

フレバンスの人々から拍鉛病という三人中毒を発症。やがて国は迫害を受け、滅亡。

ローも家族を家族を虐殺され、自らも拍鉛病により余命三年。絶望的な状況の中、したい山に紛れて国を脱出、名を馳せていたドフラミンゴの海賊団へ門を叩きます。

そしてコラソンは偶然、ローはこの世界の鍵を握ってると言われる"D"の一族を知ります。
その血を持ちながらも、幼くして家族を失い難病をかかえ、残り少ない余命を前に自暴自棄に生きるローにコラソンは、生かさなければならないと使命感を持ち、決意します。

「オペオペの実をローに食わせる。」

オペオペの実が持つ治癒能力なら難病も治療できる。

見事コラソンはドフラミンゴ達から横取りしローに食べさせる事に成功。ふたりで行方をくらまそうとしますが、失敗...。

コラソンは一瞬の隙を見てローだけを用意しておいた宝箱の中に隠します。

そしてナギナギの実の能力でローを無音人間(能力をかけられた者は、本人の影響で出る音は一切無音になる。)にしますが、コラソンは裏切り者としてドフラミンゴに殺害されます。

宝箱を抱えて船にもどるドフラミンゴ達。

宝箱の中から飛び出し、泣き叫びながら歩くロー。
しかし術の力でどんなに泣き叫ぼうが、足音すら無音。コラソンのおかげでローは逃げることに成功したのでした。

ローは自分を生かしてくれたコラソンの仇を打つため、ローは"ハートの海賊団(ハート=コラソン=心臓)を旗揚げする

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