幽遊白書の飛影の生き様やカリスマ性は、まさに90年代の思春期の男女の憧れであった
飛影の能力や戦術は少年誌では鉄板な演出も多く含まれているが、実際の戦闘シーンは予測不能であり、その全てが想定外の結末である。
90年代人気絶頂だった飛影のキャラ設定は本当に闇が深い。
後半の魔界編では少年誌という枠組では括れないほどの内容であった。
■やること成すこと全てがサプライズ
■原作に限りなく近いイメージで幽白の飛影を描いてみる
飛影と躯の関係性は?恋人?仲間?敵同士?
飛影と躯…この二人の関係性についてだが結論からいうと同類の一言で尽きると思うのだが…。実は幽遊白書の作者が「飛影に恋人ができたとしたら」…というイメージで描かれたキャラクターのようだ。
ただ、おそらく二人の関係性は、それぞれのキャラの性質によって"曖昧に濁された"可能性がある。
つまり物語が進むにつれキャラクターに魂が宿った…とも言うべきか。例えいずれかが好意を抱いていたとしても二人の性格上、言動や行動も異次元なため第三者には理解が難しい。
仮に二人の思考を理解できるとしたら、もはやそれは異次元の思考レベル?
よって二人の言動や行動をどう解釈するかは読者に委ねられ、結局のところ謎に包まれてしまった。
※飛影と躯の二人の関係性については前回のブログ(前の記事)で詳しく記載
飛影の過去!冷酷非道なイメージとのギャップ!
氷河の国で生まれた飛影が炎を操るのにも理由があり、邪眼も決して生まれつきではない。
産まれて間も無く種族に捨てられた。(孤独に崖から墜とされた)
壮絶な過去を持ち「愛とは無縁」の人生を送る。
5歳でA級妖怪まで向上した飛影。唯一の双子の妹、雪菜(氷泪石)を探すために邪眼を得た。苦痛の果てに手術によって得た邪眼だが、その代償として体術が急激に落ちてしまう。
コソ泥(盗賊)に成り下がった飛影ではあったが数々の死闘を重ね宣言通りの結果を残していく。
飛影は元々A級妖怪なだけに並外れたメンタルを持っているようだ。
圧勝、常に冷静、圧倒的な存在であった
飛影のキャラをツンデレやクールという表現でまとめる訳にはいかない
物語の後半で飛影の本当の過去が明かされる。これまでの飛影の能力である"邪眼や黒龍"そして剣術の使い手になった理由などが描かれる。
90年代の漫画の中で絶大な人気を誇っていた飛影。女性ファンを虜にし、幽遊白書の人気投票では当時、二万票を超え一位になる。二位の蔵馬との差は歴然であった。
あまりにも尖りきった、飛影のキャラクター性は現代の漫画ではあまり見られない。これも90年代ならではか?
魔界から炎を呼び寄せて敵に放つ黒龍波という大技を持つ。飛影はファンの間でも期待値が高く、その技の迫力や華麗に相手を瞬殺するシーンが印象的であった。
飛影が相手する敵は圧倒的な強者である事が多い。これまでの敵とは登場から一味違う異様な雰囲気を醸し出す。苦戦するか、或いは長期戦になるだろう…と誰もが想像してしまうほど。
その敵を目の前にして飛影は「おしい相手」「お前は運が悪い」等、一瞬、耳を疑うような余裕発言をする。
とは言え相手が強者なだけに見ている読者も不安を感じる。それと同時に"飛影なら勝てるはず"だという期待もある。この刺激が癖になり飛影というキャラクターの虜になっていく。
そして、飛影は戦術や強さだけでなく実は不器用極まりない優しい面も持つ。あまりにも、優しさの表現が遠回しすぎるため、おそらく周囲も飛影には、ごく一般的な優しさなどは求めない。そこに飛影の価値がある。
読者は飛影に優しさなど期待していない。だからこそ、ほんの一瞬、飛影が優しさのカケラを見せただけで心に染みてしまう。
これが完全なサプライズとなり、おいしいところを根こそぎ持っていく。ある意味主人公よりも主人公らしい事をやり遂げる。
挙げ句の果てに、冷めた言葉を吐き捨て去っていく。褒められるのを苦手とする面など様々なギャップを見せる事。これが主に10代から20代の女性読者の心に刺さったよう。
飛影には様々な台詞があるが、どれも単発で心に刺さる
「あまえるな…だったら自分で伝えるべきだ…」と何かを示すような台詞など、ある意味、厳しい言葉だが愛情表現の極みのように感じる。さらにタイミングやシチュエーションも的確であり、単なる冷酷非道な男ではない事も示している。
今回はシャープペンを主にラフ感を表現。パキッとしたラインを出してないので色もその分薄い色を選択。(ベタ塗りを避け濃い印影は付けず)ほんの数分で塗り終えた。
※解説につきましては個人的な主観もかなり含まれておりますのでご了承ください。
「幽」の文字を書いてくださったのは、ペン習字の指導者であり、書道家で数々の作品を手掛けている平井京子さん。
イラストや写真とマッチング性が高くロゴとしても生きる書体。手書きの書体はオリジナリティや独自性を感じさせる。
バイオ・ケミカル系リケジョであり、技術指導にて教える楽しさや学びを得て、現在はペン習字教室を開催中。
楽しくペン習字を続ける事を大切にしているよう。
考えてみたら、文字は日常で書く機会は多々あるが、日常で文字を美しく描けたら知的に見えたり、しっかりした人物に見えたりとプラスなことばかりだ。
幽という文字は日常ではあまり見る事はないが、それがまた斬新でアートな雰囲気。
今日からはじめてもすぐに身につく美文字教室
平井京子さんのペン習字講師としての活動内容、情報も宜しければご覧ください。
平井京子さんのウェブサイトはこちら